[コメント] いけちゃんとぼく(2009/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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よかったのは、不幸な少年はみんなより早く大人になる、というキモの科白が全編を統御していること。あとは主人公がいくら無茶しても構わなくなる。あと、いけちゃんが嫉妬して女と判る件はいい笑いがあった。
タイムトラベル恋愛物語は『さびしんぼう』のバリエーションだが、後者にあった倒錯感は(たぶん意図的に)抹消されており、表白されたジュブナイルものに留まる。私には喰い足りなかった。
冒頭の海辺の墓石からして想像はついたが、演出力は不足。CGが安いのは狙いだろうからよいとしても、厭な連中が後半みんな善人になるパターンや、海だの夕陽だのを連発する感動場面づくりがもうマニュアル通り。序盤の野原での喧嘩の件など、少年たちが倒れる処だけ水溜りをつくっているのが丸見えで、こういう手抜きは白ける。お化けは大人になると見えなくなる、などという余計な紋切型を科白で繰り返すセンスも駄目だろう、だからいけちゃんが消えるラストが予定通りに見えてしまい面白味がない。
本作を要約すると、みんな仲良くなることが大人になることだ、となるのだろう。そんなもんですか、と茶々のひとつも入れたくなるが、ジュブナイル・タッチだからこれでいいのかも知れない。
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