[コメント] レイチェルの結婚(2008/米)
決定的に良いのは、過去をフラッシュバックで見せないことだ、プロット的には、主人公アン・ハサウェイの過去の出来事を多くの回想シーンで表現できそう(されがち)なものなのだが、さすがにジョナサン・デミだ。分かってらっしゃる。
手持ちカメラによるブレとズーミングの嵐。タイトルの通り、題材がホーム・ムービーのようなものなので、それほど違和感はないのだが、それでも、どうしても、この落ち着きのなさは好きになれない。
ただ、台所のあちこちに散らばる皿をビルトイン食洗機に放り込む、父と娘婿のシーンや、結婚式(司式)前夜?のスピーチ大会のシーンなんかは、作り物っぽいのだが、司式の後の歌と踊りに満たされる、カーニバルのような場面に至ると、画面の過剰さがカメラワークの鬱陶しさに勝ってしまうのだ。
さらに、ラストカットの良さも特筆すべきだ。仔細に書きすぎるのは良くないが、タイトルロールのレイチェル=ローズマリー・デウィットが、庭の椅子に座り、画面奥(庭のかなり向こうの方)で、バイオリンとギターが奏でられる、縦構図の固定ショット。こゝにエンドクレジットが入るのだ。見終わった後、清涼感に満たされる。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。