[コメント] ミスト(2007/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
前置き:基本的に私は恐怖映画が苦手です。 と今年(2008)『28週後...』でも同じ前置きした。
人類が今まで、いろいろな恐怖に悩まされ、怯えてきた。飢餓、貧窮、闇、権力、利害そして人への過ちや恨み。祖先への過ち。その都度、時代に応じた宗教を信じ人々は、救われてきた。信じない人を誘い。応じなければ弾圧してきている。自分と異なる事や異教徒も弾圧してきている。あるいは、ふつう持たない能力への恐怖と排斥。たとえば、『ダ・ヴィンチ・コード』解釈の魔女狩り。『X−メン』などにも。血統(ち)を重視しすぎて人類は争いを始めている。『フィフス・エレメント』や『クリムゾン・タイド』でもそんなシーンが。人類の犯してきた歴史を凝縮しているように感じた。いろいろなことを考えてしまう作品だった。
最後のトドメは、疑似ファミリー(ひとりは実子)4人を殺害し、結局生きていかなければならない恐怖。これは『タイタニック』のような「俺の分まで生きよ!」状態では、全く異なる。これこそ十字架を背負うキリスト。
非宗教的に見えるが、最後は、宗教的だった。
●「みんな地獄へ堕ちろ」のような事を言った女性が子供と最後、救われたシーン(?)
ここで、主人公を絶望のどん底に落とし込もうとしているのだろう。
しかし、あの状況で彼女の助けを引き受けて誰が行ける?だろう。無茶なことを言っている愚かさを恥じてほしい。もし誰かが行ったとして、結局、怪物におそわれ、助けた人が犠牲になって、彼女が助かっていれば、原因はあなたのセイだ。それが平気なら、彼女が悪魔だろう。と思う。助からなかったかもしれない。助かる要因に運もあるかもしれない。いいや啖呵を切ったパワーかもしれない。
あるいは、彼女の誘いは、審判だとしたら、神の声だ。最初のシーンで多くの運命は決まったのだ。
●もう一人、神の声がいる。人々を先導した女性
観ている途中から、彼女の言葉が、魔物になっているように感じてきた。そんなSF映画か、恐怖映画、TVドラマだったか?観たことがある。あなたの預言が、誘発しているのだと。言いたくなる。
●愚かな男もいた。(弁護士)あの状況下で、からかいや冗談があるだろうか。これも知識レベルの高さと恐怖で、聞く耳を持たなくなってきている。そんな人は、やっぱり助からない。ここも宗教的。(個人的に助かってほしかった。生きて反省の人生を送ってほしい。)
●いろいろな人間の集まるスーパー:ふと想像する事だろう今、横で買い物をしている人は、どんな人だろう?
途中、気づくとBGMが少ない。音のない恐怖を煽られていたようだ。
今年『28週後...』怖さのおもしろさを再認識し、『クローバーフィールド HAKAISHA』で、幻滅した。 しかしこれで恐怖に遊ばれた。心地よい。
人に励まされたり、行動する勇気を与えられたり、でも落とし込められたり、恨まれたり。殺されたり。そして、留まるのか?前進するのか?それは一人一人の意志と決断だろう。時にはカンも。『デイ・アフター・トゥモロー』『トゥモロー・ワールド』そして『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ポセイドン・アドベンチャー』か?『ポセイドン・アドベンチャー2』か?
最後に、精一杯行動した父親(主人公)を称賛したい。決して自分を責めないでほしい。どうせ食われて死ぬなら身内や知人に一発で殺されたい。
■続編1:軍隊だと思っていたのは、実は、異次元の生物が乗り移っていて、助かったと思っていた女性親子も別人だった。それを知った父親が抵抗していく。『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』『SF ボディ・スナッチャー』 どうしても信じられない!そう簡単に異次元(?)生物を絶滅させられるだろうか?時間的には3日目ぐらい。
■続編2:父親が国の実験を暴いていく。
■続編3:父親の生涯(飲んだくれ狂信者そして教祖となる)
以上、私の偏見の固まりです。ご注意ください。どれもこれも人間が作ってきた要因であり、心理と感情です。そして今後も恐怖に悩まされることだろう。出来れば楽しもう。
2008.5.31 劇場観
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