[コメント] グッド・シェパード(2006/米)
映画は日本ではあまり報じられないCIAの成立から巨大化していくさまを冷戦を通じて,また一人の男の生き様を見つめることにより、アメリカの裏政治の現代史として描いている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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アメリカ映画としては最近にない骨っぽい映画となっている。
マット・デイモンの沈黙ぶりがいいね。男はやはり寡黙でなくては、と思ってしまう。
ただ、この男、不思議な男である。聾唖の女性たちに一際興味を持つところ。また、アンジェリーナ・ジョリーとのラブシーンでも思ったが、受身的でなにやら同性愛者らしい雰囲気を持つところ。( 大学教授からもそれらしきことは言われていたなあ)何やら内面的で、スパイの持つ活動的なイメージが全くないのである。まあ、CIAの超エリートって仕事上内省的にならざるを得ないのかもしれないが、、。
いやあ、僕は久しぶりに重圧な人間ドラマを見たと思った。ドラマ自体がゴッドファーザー風でもあり、また矮小化するとエリートサラリーマンの一風景っぽくもあった。どう受け取るかは観客の自由である。
ただ、男性から一方的に描かれた印象が強く、女性からはきつい映画かもしれない。何より著名俳優陣の秀逸な演技と緊密な演出が光っている。アメリカ映画久々の力作であることは間違いない。
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