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[コメント] 自虐の詩(2007/日)

女性のための映画』です。女性であることが羨ましくさえ感じた。生まれながらの不幸のオンパレードの様相を呈しているけど、自分から不幸を選んでいる感も拭えない。「行かないで・・・」消え入る彼女の声を聞きながら僕は泣き、最後まで笑えずに画面を凝視した。。。
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







母親に捨てられたことから端を発し、貧乏、父の愛人への注ぎ込み、自分よりも愛人を取る父、銀行強盗を犯す父、田舎からの出奔、売春婦、ヤク中、自殺未遂、更正施設での療養、元ヤクザとの同棲、貢ぎ、妊娠、産むか産まざるかの決心。。。

人生全てが2択だとしてもココまで裏目、裏目に出るのも珍しい。つか、呆れる。

が、中谷美紀の確かな演技は『嫌われ松子の一生』をより遥かに超えて、フィクションの物語に俄かなリアリティを持たせる。出生から生い立ちが人格の一部を形成していることも事実だと思わせられる。

自分を捨てた母を赦し、幸せに大小はないと出産を経て気付く辺り、女性目線の優れた構成だと感じた。

自分の人生の意味は授かったこの子のためにあった。。。

「生きている意味が無い人生はない」とラストは幸せそうに子を抱く幸江の笑顔を見て、『女っていいな』ってふと思った。

ただ、イサオの豹変振りの説明が足りないのだけは解せないが。。。

イサオの映画ではないのだからまぁいっか!

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)chokobo[*] りかちゅ[*]

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