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[コメント] サウスバウンド(2007/日)

侘び寂びテイストでアナーキー。反文部省推薦映画的、日教組推薦映画的。愉快そうに「ナンセンス!」と指を突き出す豊川悦司と、淡白で澱んだ演出の齟齬が醸す雰囲気が面白いと言えば面白いが、全篇退屈せずに観るにはショットの力が弱すぎる。
煽尼采

子供らが手にする携帯電話が現れるまで、一昔前の時代設定なのかと思って観てしまうほど、画面から漂う空気が饐えている。子供達に語るアナーキズム講座といった調子の遣り取りも、何も知らない子供に分かり易く語る振りをして実は、未だ青春を忘れ切れない大人達が自分の子供っぽさを肯定してもらいたがっているような気色悪さが匂う。子供を子供扱いして己が自己主張に利用する、という点で、黒澤明の『八月の狂詩曲』と同じ種類の薄気味悪さがある。沖縄の爺様たちの棒読み台詞をそれでよしとする演出も、やる気があるのか無いのか不明な印象。

(評価:★2)

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