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[コメント] 天然コケッコー(2007/日)

あの時代にもう戻れないと思うと、あの時の些細な出来事、怒ったこと、泣いたこと、笑ったこと…すべてが愛おしい。
牛乳瓶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今の日本に失われてしまったものがここには詰まっている。「日本に失われた」というと大げさかもしれないが、少なくとも私が失ってしまったものが本作にはたくさんあった。

広大な田舎の景色。爽やかな風が吹いて、照りつける日光が大変心地よい。どこからか虫の声も聞こえてきて…こんな風景の場所を訪れたことはない。ただ、何故か懐かしい気持ちになれた。日本人ならこのような場所にどことなく懐かしさを感じるだろうし、行ってみたいと願う。そんな場所で物語は展開されます。

物語は主人公の女子中学生が通う生徒6人の学校にイケメンの都会から転校して来た生徒がやって来ることから始まる。それから静かに温かく映画は進んでいきます。特に何かが起こるわけではない。一人で気を揉んだり、ささやかな恋があったりする。それが中学生であり、あの頃が大変懐かしく感じた。

私たちは「日本」のかつてあった姿と、「私たち自身」のかつてあった姿を本作で垣間見ることにより、胸の奥に迫るものがありました。物事は決して永遠に続かない。だからこそ、その時々を懸命に生きる人の姿は美しい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)セント[*] TM(H19.1加入)[*] 水那岐[*]

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