推理小説の密室トリックで「物質転送機」を持ち出すのは卑怯なように、物理的に不可能なトリックを大オチに用意するのは、説得力以前の問題で話にならない。原作ものにとやかく言ってもしょうがないとは思うが、いくらなんでも本作はご都合主義に走りすぎである。

ラストに行くまでは、如何に相手の技を盗み評判を落とすかの骨肉の争いが繰り広げられ見ごたえがある。それだけに返す返すもラストが残念で仕方ない。残念な一作であった。