[コメント] ロストロポーヴィチ 人生の祭典(2006/露)
このドキュメンタリの主役は誰かと云うともちろんロストロポーヴィチ夫妻すなわちムスティスラフ・ロストロポーヴィチとその夫人ガリーナ・ヴィシネフスカヤなのだが、ふたりのうちどっちかひとりに決めろ。と無茶を云われたら、それはヴィシネフスカヤである。特に後半はそのように撮られている。
必ずしも育ちの悪さのせいばかりでもないのだろうが、これまで私はほとんどと云ってよいほどクラシック・ミュージックというものに関心を向けたことがなく、そのためロストロポーヴィチ氏の偉大さを説かれても今ひとつぴんと来ず、むしろソルジェニーツィンの名前に反応してしまって、へえ、この人ソルジェニーツィンと関係のある人なんだあ、と呟いたりしておのれの無知無教養ぶりに絶望せんばかりなのだけれども、しかしこの映画は面白い。面白い映画は観客に知識も教養も要求しないのだ。よい映画の条件「素敵なダンスシーンがある」を満たしているのも偉いし、何よりラストカットに驚愕する。ソクーロフはやはり異常だ。
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