[コメント] パフューム ある人殺しの物語(2006/独=仏=スペイン)
叙述はあくまで男に寄り添う。受け手には、ストーキングに着手した段階で男についていけなくなる。香りには感触がない。一方で場景は物体で溢れかえり、男のいら立ちは募る。課題は、形ないものが物体化する矛盾の探求である。香りに触れたいのである。
男自身が場に埋没して形を失うことでこれは解決をみる。この自然に還る過程で男は災害化し、自然への憎悪の形で受け手の感情も足場を得る。
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