[コメント] バブルへGO!! タイムマシンはドラム式(2007/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
◆さて、設定、キャスト、脚本、美術と、なんかあらゆる面でユルい感じな映画だった。突っ込みたいところは山ほどあるがまぁそれはヨシとしよう。タイムスリップモノの代表作といえば、「バックトゥザフューチャー」をすぐに思い出すが、基本プロットは一緒。ハッピーエンドなのも一緒。でもちと違和感、というかスッキリしないものが残る。
◆例えばバックトゥ〜パート2では、主人公のライバルが未来のスポーツ年鑑をゲットし、それを基にしてスポーツ賭博で大もうけ、絶大な富と権力を得て(主人公にとって)暗黒の未来になってしまう、というエピソードがあった。これはパート3の展開で回収され、そんな未来は回避、メデタシメデタシとなる。一方でこの「バブルへ〜」では、すでにわしらの暮らす、国の借金800兆円、貧富の格差はますます広がる2007年が1990年のバブルに浮かれた人々にとっての”暗黒の未来”なのだ。広末涼子が洗濯機型タイムマシンに乗って、過去に遡ってゴタゴタあったとしても、この現実は何も変わっちゃいない。映画のラストで彼女は首相令嬢となり、日本の前途は洋々で確かにハッピーなエンドだ。しかし現実はどうか?今の日本はビフが支配するバックトゥザフューチャーパート2な世界ではないのか?
◆もっとも、製作者はそんなメッセージを突きつける意図があったのかも知れない。であればなおのこと、映画全体のユルさはいかにもバランスを欠いているといわざるを得ない。軽く娯楽映画を楽しむ心持でいたはずなのに、見終わった後憂鬱になってしまったよ。なのでワタシは、この映画は娯楽作品として根本的にプロットが間違っていると思った次第。
◆しかしながら、広末涼子は可愛い。特に競泳用水着を着た彼女は素晴らしく可愛い。同時に恐ろしく大根だった。いや、大根というより演技にコレといった特色がない。広末涼子でなければならない理由がない。まさに”素材に頼った”北海道の観光地料理のようなキャスティングといえよう。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。