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[コメント] カポーティ(2006/米=カナダ)

ファーストカットは麦の穂。冒頭から静謐で簡潔なカット作りを目指していることがわかる。不用意に「静謐で簡潔」なんて言葉を使ってしまったが、これが本当にできているのなら私にとっては最大級の誉め言葉、ということになる。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 フィリップ・シーモア・ホフマンによるカポーティの造型は賞賛に値すると思えるが、一方演出家によるカポーティの造型は混乱しているように思う。ネル・ハーパー・リー(キャサリン・キーナー)については列車での登場シーンをはじめ要所要所で慎ましく描かれておりとても好感を持つ。彼女とホフマンがキスをするシーンのそっけなさが感動的だ。(二人がキスする素敵なシーンがあるということを未見の人にはできるだけ伝えないために「ネタバレあり」としたい。)

 死刑執行場面は『冷血』のロバート・ブレイクの執行シーンとそっくりの美術・装置だが、ここはリサーチによる結果ではなく(リアリズムではなく)、オマージュであって欲しいと思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)緑雨[*]

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