[コメント] 日本沈没(2006/日)
良くも悪くもエキセントリックな風味のあった'73年版に比べると、映画の話法を忠実に採り入れようとしている志向は伝わってくる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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確かに、ご都合主義で、考証に欠け、深みのない台詞ばかり繰り出される脚本はしょうもない出来だとは思うけど、最低限の話法を押さえている分、最後まで退屈させることはないし、万人受けを目指したものであると考えれば、別にこれはこれでよいのではないかとは思う。
それよりも、演出家(監督)が演技をディレクトすることに全く関心がないように思えたことのほうが気になった。特に酷いのが草なぎ剛と大地真央。何だか、自分たちの好きなように、というか、演技しやすいように演じているようにしか見えないのである。演技のディレクションなど殆ど何も施されず、野放しなんだろうな、と。二人とも元々人間味が感じられないというか、有り体にいえば”大根”なので特に目に付いてしまうのかもしれないが。そこに「演出」という営みは一切感じられず、これは役者の責任というよりも演出家の責任なのだろうと思う。
六本木ヒルズや奈良の大仏が崩壊し、清水寺や道頓堀が水没する画は確かに面白い。が、「面白い」という感想しか出てこない。「凄い」とか「素晴らしい」とか「心震える」といった類の感情とは異なる。やはり、映画は映像で語るものであっても、映像だけでは映画にはならない、ということなのだろう。
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