[コメント] 子猫をお願い(2001/韓国)
バスの車中から屋外を捉えたショット、夜半に猫を追ってトタン屋根を歩むショットなど、これ見よがしでない柔らかな光と影がとても魅力的。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ誉めた蓮實先生は、さすが目利きだと思う。
学歴社会、就職差別(親がいないと経理ができないとはすごい)、封建社会、貧困及び家主の責任回避、そして訳の判らない拘留と、すごい告発の連発。愛国精神に富んだ韓国でこれほど具体的な告発はなかなか観られず、しかも21世紀の話なのだ。外国へ逃亡してしまうラストの祖国に対する突き放し方はすごい。懐中電灯で詩集をむさぼり読むぺ・ドゥナのショットに、主題が巧みに凝縮されている。
昔の日本映画の告発ものを観なれた我々には平凡に見えるが、本邦でも近年はここまで抉った作品はなかなかないのではなかろうか。この監督、その後なかなか映画を撮らせてもらっていないようだが、干されているのではないかと心配になる。
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