曰く付きの老ホテル、見るからに危ない従業員（悪人ではなかったのだが）、完全セルフパロディな痙攣バタバタ、屋上の揺り椅子、隠し部屋、白骨死体の山、何も映らない鏡、首吊り・・・などなど相変わらずいい趣味（悪趣味）してます。『悪魔のいけにえ』『ファンハウス』『ポルターガイスト』といった過去の作品を思わせるシーンが満載。盛り上がりの真っ最中で「彼は死から生まれた」「生と死の境界が無い」と良く分からん死生観をジイさんが唐突に語り出すのも何ともフーパーらしいというか、『死霊伝説』『スペースバンパイア』などが頭に過ぎり、これも実にツボ。取っ付き易い小手先技を効かせつつも、ファンサービスもバッチリといった印象。

まぁ、傑作とまでは言えないけれど、監督が楽しんで撮ってるのが伝わって来る作品でファンとしては満足点。失礼な事にも「不遇の人」というイメージを抱きがちなのだが、『悪魔のいけにえ2』では自作を徹底的に破壊したり、『レプティリア』ではティーン・バカ・ホラーを撮ったり、本当に映画作りを楽しんでる人なんだと思います。今後も期待。