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[コメント] 男の敵(1935/米)

最初にユダのことが語られる。密告した後、彼は何をし、何を思ったのか?舞台を現代(アイルランド)に移し、いつの時代にもいる密告者、いや境遇次第では我々もいつそうなるか分からない、その心情を見事に描き出している。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







彼は何故密告したのか?彼女を喜ばせる(旅行の)為だと本人は言うが、それは話半分だ。

本当は、単に金が欲しかったのだ。いやそうではない。金を持っているという自負、そしてみんなの賞賛が欲しかったのだ。「あなたはスゴイ」と言って欲しかったのだ。だから、彼女の家へ帰る々と言いながら、結局酒場をハシゴしていたのだ。

今も昔もバカ男の怪力だけでは誰も賞賛してくれない。手っ取り早いのが、金だ。金にモノを言わすのだ。

お金をバラまいて「やはりあんたは凄いよ」と言われ、ハハハと笑う、そして皆が自分の次の言葉を待っている、そんな経験が皆さんにはないだろうか。或いは、そう出来たら、絶対いいなあ、一度はそんなことが有っても・・・と思わないだろうか?

男の敵とは、そう言う心情〜名誉欲というのか〜の事だろうと思う。

原題(‘密告者’)より、はるかに主張を持った邦題ではある。

(評価:★5)

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