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[コメント] ディック・トレイシー(1990/米)

さぞ悔しかっただろうな。アル=パチーノは。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
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 人気アメコミの映像化。丁度前年に『バットマン』が公開され、ゴシック様式の異世界を美味く描いていたが、それに近い不思議な世界観を映画化してくれた。コミック調と言うことで、赤・青・緑・黄・白・黒の6色しかない世界をは非常に鮮やかで、原色が目に染みる。それにゴムで作られた敵役は大物俳優が目白押しで、なかなか見応えがある。特にパチーノが嬉々として悪役を演じているのは、本当に楽しそうでそれだけでなんかもう充分だ、って感じになる。他にいくつか映画に出演しているマドンナも、この作品が一番映えてたね。ビーティのナルシスぶりも堂が入って、格好良かったと思う。

 ただ、肝心なストーリーについてはありきたりなアメリカン・ヒーローもの。別段目新しさがあるわけではないのが残念。ま、この手の作品で目新しさを出す方が大変なんだけど。要するにウォーレン=ビーティが、自分さえ格好良ければそれで良いというコンセプトなんだろ?ヒーローを際だたせるために子供を使うのは古くさいぞ。

 ところでこの年は、『ゴッドファーザーPART3』が公開された年でもあるんだけど、そっちの方ではかすりもしなかった男優賞に、こっちの方でノミネートされてしまったパチーノ、随分悔しかったんじゃないかな?

(評価:★3)

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