[コメント] ヴァイブレータ(2003/日)
いまいちハマれなかった。
ゆきずりのセックスに過度な期待と幻想を抱いてる私はあんなもんでは納得できません。行為のあと延々としゃべるので、あれだけ「体温を感じたい」と皮膚感覚にこだわった体の繋がりが薄まっていくように思えてならなかった。 「あれ、食べたい」と思って実際に食べてしまったのは痛快だけど、意思表示がモジモジ内向的でうざったく感じられる。31歳なのに箱庭的少女の妄想の域を出ていないのがもどかしい。
なにげな会話の脚本は良くできていると思うが、大森南朋のマジメさが出てしまってすべてのセリフにいちいちまともに受けてしまっている。A型のうわべだけのやさしさというか、自分を見ているようでイヤだった。泣いて走るCFとかイチとかヘタレの印象だった大森君なんで漢な役柄に注目だったが、どうしても生真面目な繊細さが透けて見える。
寺島しのぶは普通な佇まいの存在感がすごかった。だけど「宮本武蔵」での男勝りなキャラが好きだったのでちょっとガッカリ。食べ吐きでアルコール依存で不眠なら弱々しいにきまってるけど。おかげで二人が傷をなめあってるようで、共感・同情はしても感動はできなかった。
彼女の裸は熟してるというより幼児体型なかんじで、バスタブでの背中は痛々しさとぶっきらぼうが同居していてセリフ以上に訴えるものがあった。
この映画もタバコ吸いまくり。小道具や心情描写に使うのは安易でずるい。なしで演出してくれ。寺島しのぶの黒い歯茎見てるとガッカリする。タバコは煙吸うスタイルやめて注射にしてください。それなら隣にいても平気だし、歯茎も黒くならないし。ヘビースモーカーは腕が注射の跡だらけになってステキ。
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