[コメント] 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964/英)
冷戦に対する皮肉をありとあらゆる形で描写した映画。その上、超一級のエンターテインメントでもあるのだ。現代のマッチョなアメリカ人にも是非ご覧頂きたい。→
こういう映画は何度観てもそのたびに気づかされるディテールへのこだわりがあり、それが観る者をうならせる。
全てがあらかじめ構築されていながら、あざとさを感じさせないのは監督の感性と知性によるものなのだろうか。当初のシリアスな緊迫感が、だんだんと弛緩していくプロセスは意図された、そしてリアルな「ダメな世界」の演出の完成度の高さを感じさせ、鳥肌が立つ。
また、彼の映画に共通して言えることだが、これもまたコメントすること自体の意味を失わせるような作品だ。
本当に完成されたものを、誰がなんと言おうと意味が無い。そういう次元に到達していること、その地位を持続しつづけたことのすごさにはただただ圧倒されるとしか言えない。
(2002.12.9)
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