[コメント] ナショナル7(2000/仏)
母性が女性の本能だとしたら、どうしてそれは最後には報われないのだろう。ジュリの頑張りは哀しいほど健気だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ジュリは半身不随のルネのために娼婦のキャンピングカーに彼を運び、あまつさえ彼の陰部にコンドームをつけてやりさえする。そして、イスラムからキリスト教に改宗したいラバのために、ラバの気に入った娼婦を洗礼の代母にしてくれ、との願いを聞き入れてやったりもする。
そうしている時のジュリの姿は、限りなくエネルギッシュで闊達だ。これは友人として接しているというよりは、患者たちの母として行動していると考えたほうが似つかわしい。
だが、私生活でのジュリは裏切られっぱなしだ。恋仲の職員とは仕事上のことでイザコザを起こし、協力的なスタッフは患者たちのストに手を貸した件で解雇されてしまう。最後のパーティではいがみ合っていた皆が楽しげに宴を満喫しているが、ジュリは独りだ。
物語はここでモデルとなった本人たちの紹介となり、唐突に終わってしまうのだが、自分も世話になったケアワーカーの人間の側面をも眺めてみたい、と静かに考えさせられる映画だった。
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