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[コメント] A2(2001/日)

荒木君のやつれがオウムのその後を物語る。3.8点。
死ぬまでシネマ

オウム真理教(現:アレフ)の信者たちの「若さ」(そして「純粋さ」)にあらためて驚かされる。彼らもまたこれから10年、20年という時の疲弊に曝されるのだろう……。

住民との交流シーンは予想を超えており、『A』で感じた絶望から転じて若干の人間への希望を感じさせる。

どうも「宗教」についていけないのは、彼らが(多くは教祖による)一般の自然科学とはかけ離れた世界の定義から出発することにある。本当の世界はこういう仕組みなのだ、といわれても所詮はアンタがいった事だろうがね、とモノグサな私は宗教心に欠けているのである。仏教だって基督教だってその点で同じ。右翼結社・左翼集団も同じ。

人間存在は弱い。「社会のしがらみ」から逃れたいという気持ちは宗教へと導かせるが、自己判断を放擲しない為に踏み留まらせる力が逆にこの「しがらみ」にあるのだ、とあらためて気付く。良くも悪くも人間は社会的存在なのだ。

それにしてもこれだけの若者に帰依させる麻原彰晃(本名:松本智津夫)に一体どんな魅力があったのだろうか? 俗世に塗れた私にはダミ声のおっさんにしか見えないのだが……。

(評価:★3)

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