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[コメント] ラスト・プレゼント(2001/韓国)

この「理解できなさ加減」は韓国と日本の文化の違いによるものなのか?(03.02.17@TOHOシネプレックス5)
movableinferno

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







うーん、うーん、どうも、設定や、登場人物の心情を呑みこむのに引っかかりがありすぎる。

「笑いを仕事にしている夫の日常に、悲しみを持ちこみたくない。なにもしてあげられないなら、せめて邪魔をしないでいたい。」ジョンヨンのその気持ちは理解できなくはないけれど、やっと前向きに仕事に取り組み始めた彼に向かって、どうしてあんなにもキツく当たり続けるのだろう?妻がいつもいつもあんなに不機嫌では、夫はすっかり気が滅入ると思うのだが、そういうことは気にしないのだろうか?

そんなジョンヨンに対してヨンギがこっそり「ごめん」とつぶやくのは、もちろん妻のからだが病魔に冒されているのを知っているからだが、しかしなにか、きみは妻が死にかけなければ妻の店の権利書を担保にして勝手に借金したって平気なのかね。つーか、妻の身体が「生きているのが奇跡だ」と言われるほど悪くなっているのに、今まで微塵も気付きもしなかったのかね。

気持ちに素直になれなかったり、理屈に合わない行動をとってしまったり、互いに愛し合っているからこそのもどかしさがあるということは、頭ではわかる。しかしそれは、映画を観ながら頭で理解して補足したりすることではなく、スクリーンから滲み出して、気が付いたときにはもうどうしようもなく胸に沁みているものでなければならないのではないか。この映画からはそういうものを感じ取ることができなかった。

不治の難病にかかっているわりにジョンヨンは元気過ぎると思うし、「実はヨンギはジョンヨンにとって小学生のときからずっと好きだった人である」という「秘密」にも必然性や切実さが感じられないし、クライマックスの演出もずいぶんと稚拙(音楽がやたらうるさい/劇中演じられているコントのネタも活きていない)である。「泣かせ」というエンターテインメントがあるということは否定しないが、この映画は泣かせるために無理をしすぎている気がする。

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ひっくるめてひとことで言うと結局は、稚拙な映画である、ということだと思う。これは韓国と日本では文化が違うから、ということだけで埋められる温度差ではないと思うのだ。

(評価:★2)

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