主人公は全く同じ俳優が演じているのに、なぜ兄弟や恋人が彼だと気づかないのか。スーパーヒロイン漫画によくあるように、「同じ顔なのに気づかない」というお約束なのだろうか。トマトジュースを一気飲みする癖とか、手がかりはいくらでもあるだろうに…。

竹内結子はよくやっていたと思うが、とにかく脚本がうまく観客である自分を乗せてくれない。ハーモニカの流れる町を彷徨ったあげく、川に身を投げてしまう彼女など、「おまえは何をやっているんだよ」という感じだった。

でも、外国映画の翻案ってのはよほど付け加えるべきサムシングがない場合やめて貰いたい。なじみの人種が演じていないと安心できない馬鹿アメリカ人じゃないんだから、映画はその国なりの風俗を含めて楽しみたいものだ。日本を舞台にしたことで不自然に見えるシーンがそこかしこにあり、大いにシラけてしまった自分なのだった。