[コメント] レイジング・ブル(1980/米)
スコセッシの、ばしっと決まる白黒画面の構図の様式美と、デ・ニーロの体重管理、そして彼女の仏頂面に捧ぐ。
星一徹的なジェイクの家庭内暴力(洋の東西は変わっても、<食卓ひっくり返し技>に変わりなし)に、つい『LAコンフィデンシャル』のバド・ホワイトに通報したくてたまらなくなったのは私だけではないだろう。時代もダブるし。バドならきっとジェイクの相手になるはず。どっちか死ぬだろうけど。
どこまでも男の汗がにおうこの映画の中で、彼女の仏頂面がすべてを救っていた。もし彼女が少しでもたじろいでいたら、ジェイクの暴力は自己崩壊まで達したはず。ゆえに、彼を救ったのも彼女の仏頂面である。
しかし、ぷしー、ぷしーと飛び散る血は、白黒画面なのに真っ赤で、ぼこぼこになった彼が言う、あの決めセリフは怖かった。
関係ないが、デニーロはボクサーのひしゃげ鼻をつけ鼻していたんだろうか。初めから終わりまで、どうしても彼の鼻から目が離せなかった。
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