結論を言うと、この映画がすごく好き。

でも好き嫌いがわかれそうだから、他人に「ぜひ観て」と勧めたりはできない映画だな、などと思っていたら、あっという間に主演女優賞・作品賞などで20冠だと！・・・この現象にちょっと驚き。万人うけはしないと思うけど、審査員（玄人）うけするのかな。

原作の主人公は私小説臭プンプンで相当我の強い感じがするが、映画の主人公は実に控えめで、その分彼を取り巻くアパートの住人たちが浮き彫りにされ、面白くなっていた。 彼らをもっと観ていたかったので、心中の道行きが始まってからはちょっと不必要に長い気がした。

寺島しのぶはナニがすごいのかうまく言えないが、やっぱりすごい気がする。目の下に隈を作って登場してきたときはあまりの悪相に「えー」と思ったが、そのあとどんどんきれいになっていった。 魔術です・・・。

あと新井浩文の突然の津軽弁が最高！原作にない味付けなので、完全に意表をつかれた。