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[コメント] 巨大蟻の帝国(1977/米)

20年前と何ら変わらぬ技術を用いて映像化したバート・I・ゴードンのセンスには恐れいる。
荒馬大介

 バート・I・ゴードンといえば、B級映画ファンなら「巨大化させる監督」として有名な人物。そのかわりといっては何だが、B級専門なので最新映像技術とかいうのには全くの無縁な方で、本物をフィルムに直に合成する(いわゆる二重露光という撮影法)という方式で怪物映画をやたらと作りまくっていた。

 で、今回は『放射能X』よろしく蟻んこをでかくしたわけですが……見事なまでの、本物の蟻んこ大集合!これだったら『フェイズ4』の方がずっと怖く見えるんですが、ゴードン演出は昔からその辺も前々変わりません。

 女王蟻のはずなのに普通の働き蟻と姿形が一緒とか、蟻のフェロモンは目に見えるものではないはずなんだがなあとか、いろいろあったりしますが、「魅力なし」として切り捨てるわけにはいかない作品だったりするんですね、これが。まさかそういう人達のおかげでこの監督は食っているんじゃなかろうね(笑)。

(評価:★3)

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