[コメント] ガールファイト(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
彼女(ダイアナ)を少し買いかぶっていたのかもしれない。
見る前に抱いていた90点の内幕はこうだ。
「このダイアナって子は可愛げなく振舞ってはいるけど、実は大事な人の前では
ちゃんと可愛い女になれる、魅力的な少女なんだろうな。そんでもって、成り
は熊のようでも気はやさしい硬派なんだろうな。いいな、カッコいいな、友達
になりたいな」てな具合だ。
だが、どうだろう。実際の彼女は「本当は可愛い」わけでも、「硬派な」わけ
でも、「カッコいい」わけでもなかった。正真正銘に可愛げがなく、カッコ悪い
ただの硬派気取りでしかない。そういう自分を少しも悪いと思うどころか、正し
い生き方だと信じて疑わず、認めない人間はとことん打ちのめしてしまえという
絶対お友達にはなりたくないタイプのヤな女なのだ。
「チャラチャラした女と一緒にするな」と一喝しては、その実チャラチャラ女
と同じようなことをして舞い上がる始末。「だけど私の恋はチャラチャラ女とは
別格ですごく尊いわ」とでも言いたげに、うっとり恋女を演じてみせるが、フェ
ロモンまるでなし。相手の坊やがなんでこんな女に熱をあげるのかが、最後まで
納得いかない。
金を盗んでおいて、揚げ句「自分を認めない父親が悪い」と居直るような女なの
だ。そう。彼女の辞書には「謝る」だの「思いやる」だの「尊重する」だのと
いった言葉が皆無だ。自分は太陽。自分は女王様。自分は天才。
もうっ高いのは鼻っ柱だけ、なんだわ。
こういうのが許されるのは、完璧美人か悩殺ボディの持ち主だけである。
せめてアンジェリーナ・ジョリーくらいの女の子を呼んできてくれないとまるで
お話にならない。ネチャネチャ気持ちの悪い、そのキスやめてくれーってなる。
「自分は可愛げなく、殴ることしか能のない女だと思われてるかもしれないけど
分かる人には分かるのよ、この私の魅力と才能がっ」
と幻想を抱き続け、そんな人間は死ぬまで待っても現れないことに気付かな
いまま一生を終える、かわいそうな女の子があるところにいましたとさ。
ってだけのおはなし。じゃない?
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