「フィクションだから堅い事言うなよ」とか「重箱の隅をつつくような事を・・・」とか思われるでしょうが、細かい部分の考証を積み重ねてこその歴史物だと考えているんで、こういった点を疎かにしてしまい“リアル”を感じる事が出来なかった段階でもう気分は萎え萎えでした。

ストーリーも「悪い大臣に国を乗っ取られた幼帝を救え！」てな感じでひねりも何もなし。敵役であるはずの大村も典型的な小物造型で、期待していた「政府に残った侍」と「野に下った侍」との信念のぶつかり合いも無いし・・・

「良いサムライは死んだサムライ」とばかりノスタルジーに浸るのも良いが、同胞殺しの汚名を受けつつ自らの信念に生きた大久保利通の侍魂をこそ俺は描いて欲しかった。