これまでのシリーズとは違い「悪い人間＝食べられてしまった方がいい人間・笑」が出てこない。悪人はまったく登場しない。恐竜の島でこじれていた家族の関係を見つめ直す一家が物語の柱になっていて、人生の敗北者役を演じたらとてもいいウィリアム・H・メイシーが出ているので、ちょっと期待してみたのだが、恐竜映画としては９０分という時間で丁度いいものの、彼が演じる浮き沈み人生を見せるにしては時間が足りなくて薄かった。それと子供の機転で危機的状況を免れることができるという無条件の子供賛歌もどうだろう。

全体として、博士サム・ニールは判断力行動力ともに抜群という設定、他に出て来る人間は博士を引き立てるためでもないだろうが、悪人じゃあないけれど馬鹿だなぁ〜トホホ…という人物に設定されている。子供の観客なら自分を博士に投影して見るのだろうが、大人の観客はどうだろう。純粋に恐竜がCGIで蘇るのを楽しいと感じられる人ならきっと楽しいのかも知れない(2001年8月11日)