グラン・ギニョールの流れを汲んでいると思われる諸外国のグロ満載でバカっぽい見世物的な女囚ものと比べると、性暴力が多くてまたそれが本気っぽく残酷（陰湿）に見える作品。それがいいのかもしれないけど（実際仰ぎ見る暴行シーンなどは斬新）、本気に見えれば見えるほど素直に楽しめない部類なのも確か。いや、楽しめるものなのかもしれませんが…。

復讐欲を強めるためだと割り切って見ればそんなシーンに肯けなくもないが、それでもやはり本気っぽく虐げられる姿や堕落した姿を見ているのは気持ちのいいもんではない。いや、気持ちのいいものなのかもしれませんが、これを見世物としては許容出来ない感がある。単に男の欲望を満たすだけというか…。復讐が遂げられても暗い気分のままで全然爽快じゃない。

そんな反面、時折現れる外連味たっぷりの演出や復讐という最高の舞台に乗せたゴアシーン等はかなりentertainingでこんな映画だけに収めておくには勿体無いような出来栄え。

だからもうちょっと性描写が緩いくらいのバランスの方が個人的には良かった。この本気さ加減には少し抵抗があった。

★３．５