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[コメント] ミリオンダラー・ホテル(2000/独=米)

「トムトムじゃない、トムだ」。ミラ・ジョヴォヴィッチが結構好い。霞んだアメリカの空、でもその霞み具合が好い。

「今のアメリカ映画は「これはおまえとは関係ないセカイだ」と宣告して、観ている者との関係を拒絶するようなところがある」というようなことを、ある雑誌のインタビューで監督が語っていた。この監督の映画には、どの映画にも(ぼやけた言葉で恐縮だが)「優しさ」がある。映し出される者達への眼差しが誠実だ。(断絶をわきまえた上での「優しさ」。*)

彼らがどんなふうに生活を立てていたかなんて、まあどうでもよいではないですか。そりゃ、どうにかして生活していたのですよ。

*)これは私見だけれど、この監督は、たとえば「映画とは何か?」という孤独で峻厳な問いに堪えられるほど強靭なひとではないのかもしれない。むしろ、「何故、私は映画を撮っているのか」という問いを生きてきたひとなのではないか。「映画」を介することで、他人と関係すること、その関係を生きようとしてきたひとなのではないかと思う。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)じょろ kaki[*] crossage

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