[コメント] 野いちご(1957/スウェーデン)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
「夢」、「回想」、そして「現実」と3パターンのシーンを、上手く織り交ぜて構成されてるんですが、それぞれナレーションで説明があるので、ストーリーで混乱する事がないんですね。
印象的なシーンが多いので、書ききれないんですけど、
交通事故に遭って、乗ってた5人が相手の車を心配そうに見てるトコがなんか滑稽に見えましたね。 その乗せた夫婦が、車中で喧嘩するトコでの、後ろで見てる若者たち(女1、男2)の反応が、また滑稽でした。
ガソリンスタンドで、実は自分が(開業医だった頃)、地元の人々に感謝されていた事を知り、ボソッと呟き、次のシーンでは即、若者たちにその頃の話をするトコはなんか楽しそうでした。
夢の中でイメージ悪かった、夫婦(交通事故の相手)の男の人に、「孤独」の罪を宣告されるトコ、自分と同じような夫婦仲の人に、言われてしまうのが、罪を強調されてるようで、見てて辛かったです。
夢でかつての恋人が、夫(主人公の弟)と仲むつまじくピアノを弾くトコなんかは、「幸せ」になってほしい(現実はどうか?子供5人いてまだ生きてる、というデータしかない)という願望が、非常に強く出てると思います。
とにかく若者たちが常に楽しそうで、決して敬老の精神ではなく、好きで主人公と接していると感じました。
息子との会話のトコでは、話してても全く目を合わせず、お金返す会話になるときだけこっち見る、お金以外の繫がりゼロの関係ってのは、奥さんとの関係を見てきた息子にとっては、家庭人失格の父は、見るだけで吐き気のする存在なんでしょうね(子供欲しくないってのは、自分と父のようになるのを恐れたんでしょう)。
ラストの、希望を抱かせるような笑顔でホッとしましたね。 家政婦さんとも、夫婦みたいじゃなく違う何か、のような、いままで通りの関係で仲良く。 お母さんの死と、息子の自殺は避けられないと思いますけど、義理の娘と、生まれてくる孫とも、うまくやっていけると思いました。
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