コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 暴走機関車(1985/米)

ひたすら一直線に突っ走る機関車とは対照的に,逃げる者,追う者,巻き込まれる者,そして突然の事故に右往左往する者たちが複雑に絡み合う人間模様。
ワトニイ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ひたすら一直線に突っ走る機関車は,最初は監獄から解放される手っ取り早い手段であり,自由になることの象徴であったのに,それが途中から動く密室と化してしまうところが何とも皮肉。

それにしても,この登場人物たちの複雑に絡み合った利害関係はなかなか面白い。

まず,脱走する者とそのパートナー。一方は相手を対等なパートナーだと思い込むが,他方は必要な範囲で利用したに過ぎない。そして皮肉なことに,脱獄してひたすら逃げるはずが,暴走する機関車に閉じ込められてしまうという予想外の結果に。途中から,機関車から無事脱出すること=生命が助かる=捕まって監獄に逆戻り,という皮肉な事態に陥る。

追う方も複雑。ただただ脱走犯を捕まえようとするランケン所長と,暴走する機関車を止めたい鉄道側とは必ずしも協力関係にない。協力すれば良さそうなものだが,そうはいかない。

脱獄犯と鉢合わせしてしまった女性車掌。暴走する機関車=密室を抜け出すために協力しなければならない者が,他ならぬ脱獄犯というのも何とも皮肉。

機関車はひたすら暴走を続けるだけだが,それを取り巻く人々のなんと皮肉で錯綜した人間関係か。

ちなみに,他の方々のコメントにもあるけど,あの程度の速さなら機関車から飛び降りても絶対に大丈夫だと思う。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (4 人)山ちゃん[*] けにろん[*] 荒馬大介[*] アルシュ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。