コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 砂の器(1974/日)

原作は,なかなかよくできたミステリ。しかし映画は,原作とは別の,”人間の業”を描いた実によくできた人間ドラマだと思う。
ワトニイ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原作は松本清張の有名なミステリ(推理小説)。とはいえ,天才肌の探偵が安楽椅子に座ったまま事件を解決するような本格推理ものではなく,凡人の刑事がコツコツと苦労を重ねて犯人を追いつめていく刑事物語。

一方,映画は,刑事たちの執念はそのままに,スケールの大きな人間ドラマになっている。その分やや焦点がぼけて,ミステリとしての出来や面白さが霞んでしまった感もあるが,一つの作品として観た場合,それ以上に迫力があった。

それを端的に示しているのが,犯人が判明するシーンだろう。映画では,原作ほど「犯人は意外な人物だった!」という描かれ方をしていない。

原作と映画を比べて,いろんな感想を持った人がいるようだが,私は,この映画を,犯罪を通じて”人間の業”を描いた,原作とは別の物語として評価したい。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。