コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 女王蜂(1977/日)

このシリーズ,ある意味で原作とはひと味違う一種の様式美を醸し出している。それにしても本筋にこそ絡まないが,加藤武坂口良子は必見!
ワトニイ

人の行き来のない山奥の村,旧家の因縁,呪われた血筋,何年も前の惨劇,「あっ,ここで殺されるな?」という場面でやはり起こる殺人,そしてラストで全員集めての金田一耕助の謎解きと犯人の自殺(金田一は「あっ,しまった!」などと言いながら,自殺しようとする犯人を見逃してやっているようにも見えることが多い)…などなどシリーズ4作目ともなると,一種の様式美(と言ってはオーバーか?)さえ醸し出しているように見える。

−−−−−−−−−−−−−−

加藤武坂口良子については,『犬神家の一族』のレビューでも書いたので繰り返しになるが,陰惨なこのシリーズにわずかばかりの明るさを取り入れているのは,この二人だと思う。

加藤武は,轟警部や地元の警察署長として「よしっ!わかった!」と叫んで,聞いた瞬間から「絶対あり得ない!」と思うような犯人を指摘し,堂々と迷推理を披露する。

片や坂口良子は,宿の女中や郵便局の娘として,金田一のフケに顔をしかめながらも,なんだかんだと明るく世話を焼き,時として金田一が事件解決の重大な鍵を発見する場面に遭遇する。

この2人に共通しているのは,役柄は変わってもいつも明るいキャラ,そして殺人事件のさなかにあっても絶対に死なないという安心感だと思う。事件の核心には関係ないことが多いものの,この2人なくして金田一シリーズは語れないと思う。

−−−−−−−−−−−−−−

それにしてもこの作品,確かテレビで初めて見たのが中学生の時くらい。今観るとなんてことはないのだが,当時は中井貴恵演じるヒロインが部屋に閉じこめられ,襲われるシーンがやけにエロチックでドキドキしたことを覚えている。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。