[コメント] プレデター(1987/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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『プラトーン』のレビューにも書いたが,米国の映画がゲリラを描くと,当然ながら言葉は伝わらない(字幕も出ない)し,ゲリラ側の感情を一切描いていないから,ゲリラが無機的で何を考えているのかわからず,恐怖心もなくただひたすら攻めてくる邪悪な存在に見える。
そう! この作品の中のプレデターも,まさにそれではないだろうか!?
プレデターもゲリラも英語を話さず米国の文化を理解しないという点ではまったく同じであり,アメリカ人から見れば,何を考えているのかわからない得体の知れないバケモノである。(プレデターはどんどん学習できるようだが…。)
このような見方が穿ちすぎていることは百も承知だが,何だかそんな風にも思えてしまう。この作品では,プレデターは何のために地球に来たのか,何を考えているのかなどが一切描かれてはいないが,これは,作品前半でゲリラが人質を容赦なく殺したり,そうしたゲリラたちを主人公たちが皆殺しにしたりするシーンのゲリラの描かれ方とちょうど同じように思えたからだ。その意味では,プレデターの存在はゲリラの延長線上にあるということもできる。
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ところで,最初観た時はあまり意識しなかったが,この作品では,プレデターの正体が少しずつ判明していくところがけっこう巧く作られている。
プレデターは何かのカモフラージュしているようだ,地面ではなく木を伝わって近寄ってくるようだ,カメレオンのように色を変えて同化するらしい,手応えがあったからどこか負傷しているはずだ…などなど,少しずつ正体を暴くヒントがわかってくるが,依然として彼の正体が何かわからないというのが,ある種の謎解きのようで意外に面白い。
ただ,ラストでプレデターの姿は見えたものの,彼の目的などが一切空かされないため,実にが中途半端になってしまっている。『激突!』(スティーブン・スピルバーグ)のように,最後まで敵の正体が一切わからない方が良かっただろう。
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