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[コメント] 猿の惑星(1968/米)

囚われの身で命すら危うい主人公に,途中から同情できなくなってしまうのは,なぜだろう?
ワトニイ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







cinecine団さんをはじめ他の方のコメントにもあるように,この原作者は,日本人に捕らえられた経験からこの話を思いついたとか。そんな偏見を持って観たせいか,途中からチャールトン・へストン演じる主人公がやけに嫌味なヤツに見えて仕方なかった。

まず疑問に思うのは,「主人公は,最初からあの星が地球だと判明していたのならともかく,あの時点では地球とわかっていなかったはずなのに,どうして”猿”より”人間”の方が上だと決めつけられたのか?」ということ。

論理的に考えれば,あの時点では,「地球での進化から類推すれば,[猿に似た生き物]より[人間に似た生き物]の方が進化しているのではないか?」と推論する程度だと思うのだが。それをあそこまで堂々と決めつけていた態度には,他者の文化を理解しようとしない傲慢な姿勢が見え隠れしていたように思う…と言ったら言い過ぎだろうか。

また,この作品では,ティム・バートンのリメイク版に比べて猿がかなり弱かったためか,宇宙船の仲間が手術を施されたと判明して以降の後半は,主人公が猿より優位に立ってしまい,異境の地に1人で放り出される恐怖感もあまり感じられなかった。

残念ながら,この作品をはじめて観たのはすでにオチを知った後だったが,それでもラストは確かにインパクトがあったと思う。ただ,あのシーンにしても,アメリカの象徴である自由の女神だったわけで,結局,この作品は,人類が未知の星に降り立つ話ではなくて,アメリカ人が未開の地に降り立つ話なのだなと思ってしまった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)こしょく ドド KADAGIO[*] cinecine団[*] FOX たいへい[*] sawa:38[*] Osuone.B.Gloss[*]

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