30周年記念4Kレストア版で2023年に初鑑賞。ええっ！？初鑑賞！？めちゃめちゃヒットしましたけど、実は初鑑賞。撮影ヤン・デ・ボン、音楽ジェリー・ゴールドスミスですってよ。懐かしい。でも、いま観ると、いろいろ過剰じゃない？過激な暴力＆性描写というより音楽とか演出が過剰（笑）

ビックリするくらいヒッチコック風味でした。デ・パルマかと思った（笑）

殺し方の『サイコ』をはじめ、『鳥』『断崖』『泥棒成金』など、いろんな作品が想起されます。そして何と言っても、話は『めまい』。アパートメントの螺旋階段もゴールデンゲートブリッジも金髪に染めることも『めまい』。『ゴーン・ガール』も『めまい』の進化系ですが、根底は一緒なんです。シャロン・ストーンもロザムンド・パイクもキム・ノヴァク。いや、それは違うな。

当時は、同じくマイケル・ダグラス主演の『危険な情事』辺りから流行った女性を中心としたサスペンスブームの中の（かなり過激な）一作という扱いだったような気がします。でも、今だから分かるバーホーベンらしい視点に気付かされます。

「足の組みかえ」で有名な取り調べシーン。弁護士も立てずに女一人でオッサン６，７人に対峙します。これって、「権力と戦う女性」という時代の象徴に見えます。例えば日本では、初めてのセクハラ裁判が1989年（平成元年）ですからね。ちょうどこの時代の機運と合っていた。

ただ、マイケル・ダグラスがシャロン・ストーンと「最高の」夜を過ごすじゃないですか。男としては、コトに至りそうで至らない方が「ハマる」ような気がするんですけどね。

（2023.06.17 シネ・リーブル池袋にて鑑賞）