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[コメント] 奪命金(2011/香港=中国)

ジョニー・トーの「ウサギとカメ」
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ストーリーはコーエン兄弟のようでもあり内田けんじのようでもある。 主要登場人物3人が明確に絡むわけではないので、むしろブレッソンの『ラルジャン』に近いかもしれない。 いやあ、一つの物(金とか壺とか)を中心に物語が動くわけじゃないから違うか。そもそもジョニー・トーを語るのにブレッソンを持ち出すのもどうかと思うし、だいたい金が絡んだら『ラルジャン』、壺が絡んだら『丹下左膳餘話』ってのも芸がないし(壺が絡む映画って他に何があるんだ?)。

この映画は、欲深いものは命を落とし誠実な者が生き残る、意外に勧善懲悪というか、「ウサギとカメ」のような話だ。 おそらく香港は、いわゆるバブル経済に浮かれているのだろう。 ジョニー・トーは、そんな世の中に警鐘を鳴らしているのかもしれない。

しっかし、話にそぐわない無駄な熱さなんだよなあ。面白いけど。

(13.02.10 新宿シネマカリテにて鑑賞)

(評価:★3)

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