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[コメント] 吾輩は猫である(1975/日)

これは面白い。なんと良質なコメディー。いや、ある意味悪質かも。
ペペロンチーノ

そもそもどうしてこの時代(昭和50年)にこの話を映画化しようという企画が持ち上がったのか甚だ疑問ではあるが、まあ、それはいいとしよう。 この翌年に『犬神家の一族』を制作し市川崑第何期目かの絶頂期に入る直前の作品で、『東京オリンピック』以降、記録映画やら与えられた企画物やらをこなしていた時期の一作でもある(いずれ詳しく分析しようとは思うのだが、おそらく大映が傾いて東宝に出戻った時期なのだと思う)。というか、市川崑は企画物多いんだけどね。

市川崑の凄い所は、どんな企画物でも自分の“色”に仕上げてしまう所だ。それも強引ではない。オリジナルの企画の色も壊さないまま自分色に染め上げる。 時代に迎合することなく独自色を打ち出し、それでいて与えられた企画物も器用にこなし、多少浮き沈みがあるにせよ息の長いキャリアを持つ。こんな監督は他に見当たらない。私は市川崑と井上陽水のポジションが似ていると思うのだが、それはまた別の機会に。

で、この典型的な企画物、仲代達矢伊丹十三岡田茉莉子が一つ画面に収まってるだけで凄いじゃないか。岡田茉莉子緑魔子春川ますみが一緒にいるのも凄いがな。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)りかちゅ[*] ジョー・チップ 直人[*]

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