[コメント] チェ 39歳 別れの手紙(2008/米=仏=スペイン)
巧い映画
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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思い返せば、『Part One』はバラバラの糸が織り重なって一つの大きな何かを編みあげたような作品だった。
まるで彼らの革命を象徴するように。
そして、編みあがった織物にほんのわずかな“ほころび”が生じた所で終わる。 「敗者の物語」を予感させて本作へ続く。
本作は、必至に繕っても繕っても織物が次々にほころび、崩壊していくような映画だ。
このシリーズの凄い点は、鑑賞後に抱く印象(小説で言うところの“読後感”)が、まるでゲバラの生涯と一致しているように感じられるところだと思うのです。
そして、ソダーバーグの不親切にも思える分かりにくい省略法は、逆に言えば「描写されていることには意味がある」分かりやすい親切さなのです。
喘息で苦しむ彼の表情は、窮地に追い込まれた彼の心情の暗喩であることは言うまでもないでしょう。部下には見せない心の顔。
そして、彼の視点で描写する“幕引き”を見て気付かされるのです。
「彼が本当に見たかった世界はどんなだったろう」と。
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