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[コメント] 新・夫婦善哉(1963/日)

前作を凌ぐ世知辛い爆笑喜劇。淡路恵子堂々の代表作で、三木のり平も素晴らしい。そんななか一番狂っているのはハッピー株式会社を設立する山茶花究
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







果物屋の研究やめて蜂の研究に移る森繁。房州は蜂(ローヤルゼリー)の研究ができると最後は安房で本当に巣箱(背の低い百葉箱のような木箱だった)を砂浜に並べている。色々あって最後にやって来る淡島。豊田・森繁の砂浜のラストは『猫と庄造』(56)が想起される。本作はハッピーエンド。

東京へ妾の淡路恵子と出奔、淡路の兄と偽る恋人の小池朝雄は森繁を金づると見込み、森繁は二人の関係をすでに感づいている、という三角関係が川の字に寝る二階の貸間で炸裂する。淡路が持っていると偽る亜ヒ酸は和歌山カレー事件で有名。醤油を口に含んで腎臓病の振りするショットもすごい。アワシマが上京して混乱はさらに混乱、最後は二人が森繁の金をだまし取った格好になり、返そうとするが森繁は出て行った後だった。この始末のつかない始末が印象に残る。

二階を間借りしている一階はコリアンの妻が子供抱えてアイスクリームの箱づくり、シール貼りの内職している。「下は今夜は徹夜だ」という科白もあった。この池袋の宿、窓から巨大な鉄塔が見えている(書き割りだが)。工場地帯という設定のようだった。

冒頭の早朝、法善寺をお詣りして廻る浪花千栄子のショットがいい。「稼いで浪花おなごの意地見せたらんと」と彼女に力むアワシマ。彼女狙う巡査の三木のり平が座敷に席取って一言「満願成就」と祈るのが最高である。ダメ押しのように田中春男もうろついている。

森繁の娘は結婚、「うちにはお父さんはないと云うている」、婚約者の医者藤田まことも面白い。昭和12年、船場の商家を株式会社化(ハッピー株式会社!)した山茶花。彼こそが最高に狂っているという風刺があった。娘が式場へ向かうと同時に引越し屋の運び出しが始まるのだった。

山茶花の妻だけは前作の司葉子から八千草薫に代わっている。流しの小父さんが胴体が半分ぐらいの琴を脇に抱えて弾いているのがとても印象的。原作は「鱧の皮」とクレジットされる。モノワイド、東京映画。

(評価:★5)

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