[コメント] 姑娘と五人の突撃兵(1958/日)
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敗色濃い中国戦線、部隊は壁に「打倒」と大書されている(主語の箇所の壁は割られている)中国部落へ挑発。この様子が興味深い。「くれぐれも手荒なことはしないように」と宇津井健の少尉が云うなかでアヒルや豚を金(軍票か)渡して取引。馬取られて陳秀麗三ツ矢歌子(母親はお馴染み五月藤枝)は家計が成り立たぬと取り返そうともがき、宇津井は返還させて接近。さらに三ツ矢は兵隊に行水覗かれる災難。三つ編みの三ツ矢は日本人とのハーフで日本語ができるという設定は日本軍に加わる動機が鮮明になって温い。全くの中国人のほうがジレンマが増しただろう。
別の日また挑発があるが村は空で銃撃が始まり、つまり中国軍に待ち伏せされたのだろう。今度は三ツ矢が宇津井を助け、さっさとキス。「わたし隊長さん好き」「しかし今は戦争中だ」とキスしておいて早速逃げを打つ宇津井。現場から無線機モールス打っている小隊の味方の救出に宇津井は救援隊を組織。五人じゃない六人という説があるが人数は数え損ねた。
ニトログリセリンを準備。『恐怖の報酬』(52)のイタダキで、トラックでドラム缶が揺れて全員驚愕というギャグが発生している。三ツ矢も同乗して銃乱射の画が素晴らしい。便衣隊の手法知っている地雷を爆破。突撃と爆破は迫力の撮影編集で、トーチカの窓へ真っすぐ突っ込む縦構図がいい。直前に救援隊が宇津井を助けようとトラックから突き落とすのが意外で驚きがあった。これが最後までなんでかよく判らず、判らぬままに実に唐突に映画は終わり、異常な余韻が残る。
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