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[コメント] 親鸞 白い道(1987/日)

撮影・美術は優れており、異端宗教や被差別民の描写は興味深く、原泉小松方正の怪演もの凄い。しかしさらに凄いのは観客を遠く置き去りにする天真爛漫な物語作法。カンヌ上映時は字幕が特殊だったに違いない。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







何でもいい、例えば大楠道代森山潤久の元を去るにあたっての脈絡というものが見当たらない。こういう欠落描写が山ほどあり、それなりに一貫性があるから意図的なのかも知れないが、だからと云って何か積極的な美点が導き出される訳では全然なくて、史実だから仕方ないか、という感想しか出てこないのだ。最大の欠陥は、何で権力者が森山を畏れたのか納得させる描写が全然ないことだろう。

親鸞を旧名善信で通すのも不親切で、知識のない人は、あれえ、親鸞って登場したっけ、と?マークを頭のうえに付けながら映画館を後にしたのではないか。この手の不親切が本作の大半を占める。原作読んでからも一度観てね、という角川商法としか思われず。

(評価:★2)

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