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[コメント] 歴史の授業(1972/独)

「流暢なキャメラワーク」の正反対を行く圧倒的な即物感。極端なパゾリーニという印象。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ドライブ長回しからしてすごい。ローマの町並みを膨大な駐車車両を縫って走り続けるのだが、この車列も映画の主役なのだろう。製作者は車など嫌いなのだろうと見えてくる。車さえなければ古代ローマ人がぬっと現れても別に自然だろうというリアリティがある。

この、ぬっと現れる異次元のタッチを映画が全然演出しないのも即物感満点。議論はCことカサエルの投資を皮肉っているが、一見さんが咀嚼できるものじゃない。原作はベルトルト・ブレヒト「ユリウス・カエサル氏の商売」、カット割りは綿密に複写されてあるとのこと。最後の噴水は面構えは壮絶、お笑いのニュアンスも含まれるのがいい。

(評価:★4)

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