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[コメント] 海を感じる時(2014/日)

凸ちゃんが阿呆の森雅之追いかけまくる『浮雲』みたいな、林芙美子系の70年代風俗版として面白い。「女の人のカラダに興味がある」池松壮亮がモテる世の中は、いまさら確認する必要もないが実に不条理である(含原作のネタバレ)。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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いい小説だった記憶がある。海際で母親を背中から抱いて嘆き合うのがラストではなかっただろうか。主人公は母の体温を通して海(女)を感じる、というラスト。映画では中盤にあった。そこから先は小説に続編があったのだろうか。

そこをクライマックスにした方が良かったように思う。本作の後半はやや迷走ぎみ。押しかけ女房成功したのに、過去を詰り始めるバカ女もないものだが、ラストの海際にシュミーズ姿で立つ自立した女のイメージは悪くないんだろう。海が好きな神代映画が想起された。そのラス前の、神社行って風呂屋で禊ぎして、という段取りはなんじゃいと思わされるが。

この監督の『blue』を好感を持って観たことがあったのを、当サイトで確認して思い出した。劇場に足を運ぶべきだったと後悔した。痴漢ビデオで糊口しのいで、久々の映画だったんだ。評価されて嬉しいものがある。市川由衣は好演で脱ぐだけエラい。ミゾクチ系の長回しはもっぱら彼女の最善の瞬間を引き出そうとしたものだろう。

なかなか貧乏な映画でエキストラというものがおらずマイナーな演劇を見ているかのようだ。朝日ジャーナルで毛沢東批判記事読む序盤は70年代中盤の光景なんだろうが、あの新聞部は部員がふたりだけなのだろうか。一部声が聞き取りにくいのも難だが構わない。

(評価:★4)

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