[コメント] 山河遥かなり(1948/スイス=米)
名画然とした名画。占領下ドイツの瓦礫ばかりの廃墟がロケされていて痛ましい。あんまり批評眼尖らせて観る類ではないが、逃げて川で溺れる子供の件など堂々としている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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モンゴメリー・クリフトのような暇なGIはいたのだろうか。上野公園の浮浪児とGIとのこのような美談は聞いたことがない。だからプロパガンダ臭がしないでもないのだが、広告なら広告でいいとも思う。そうして実際にしてもらったらいいのである。
GIはともかく、戦勝してすぐさま組織的に浮浪児に対応しているアメリカはすごいもので、本来戦争というのは人道的保護ができる体勢が必要なのだと強く思わされる。アフガンやイラクでアメリカは戦争する資格はなかったし、日本の右翼にしてもこんな人権感覚などある訳がないのである。
「ユダヤ人の子はパレスチナへ行く」と語られ、実際に旅立った。収容所から来た子供たちは「子供らしさは消え、老人のようで、命令には必ず従う」とある。痛ましいことである。子役が扉から外へ逃げて、少し距離を取って家を眺めている。扉は開いている。子供はしばらく時間を取って、安心して、戻ってくる。この件はとてもいい。子供が安心するには時間がかかるのだ。
アリーン・マクマホンがいい。眼鏡とったらやっぱりこの人で安心した、というショットがあった。
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