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[コメント] 愛の賛歌(1967/日)

倍賞千恵子に痴漢行為をはたらく千秋実は万死に値する(含『春の戯れ』のネタバレ)。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







なぜかそのように紹介されないが、本作はヤマカジ『春の戯れ』のリメイク。ただ、あちらは原作の途中で話を終えており、本作での有島一郎と倍賞が添い遂げる処で終わる。これが実に素晴らしく、ある意味倒錯的で悲恋の深度に勝る。本作の収束は常識的だ。

物語は群像劇を志向しているのは判るし、やたら豪華な助演陣が見ているだけで愉しいのだが、でもやはり伴淳三郎の頑固親父など詳述せず、有島一郎の横恋慕のニュアンスを深掘りすべきだっただろう。見処は我が儘放題の中山仁。60年代に本作をぶつけた山田・森崎の意図は明快。

倍賞が手紙を代筆する件が泣かせる。有島の病院の回転式の門がいい。海と空の青が印象に残る(ロケ地は山口県上関町)。

(評価:★3)

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