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[コメント] M★A★S★H(1970/米)

弱い犬ほどよく吠える。現実から自衛するために装備する「狂気と無感覚」の矛先が向かうのは外か内か。いずれにしても現実(戦争)は非現実と化し、狂気によってもたらされる「正気」が錯覚的「現実」を危うい次元で繋留する。この「弱さの実験」は流石で、悪ふざけのインフレに差し挟まれる手術シーンの軽口が崖っぷちの爪先立ち感を現出するが、手の内が分かった後も終始同テンポでは息苦しく、必ずしも巧くないのが★残★念★。
DSCH

開高健だったか、筒井康隆だったか、前線で戦況が悪化すると自慰行為にふける兵士が急激に増加するとか書いていた。

前線で死んでいく兵士ではなく、その「ちょっと後方にいる」という「まもられた」立ち位置が、独特の焦りを生んでいる。「現実逃避」「自慰行為」を辛辣に、かつ切実に扱ったものとしては見逃すわけにはいかないのではないか。

断罪するのではなく弱さに「ノる」というところにアルトマン的な味わいが宿るのだろうが、ちょっと黒すぎて吐きそう・・・

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)週一本 おーい粗茶[*] Orpheus

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