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[コメント] わがままペギー(1910/米)

ロマコメの古典として、アクトレスの印象を打ち出す先見の明も、劇が不明瞭でBADな仕上がり
junojuna

 メアリー・ピックフォードというタレント性を打ち出して作品化するプロモーションは、この時代において先進的な試みであったであろうロマンティックコメディの古典である。しかしながら、作品そのものは、このバイオグラフ多作期にあってプログラムピクチュアとしての惰性の出来栄えとあって残念な結果である。それでも、随所にグリフィス印となる「隠れる」というモーションや「椅子」の劇的効果を印象付ける演出など、後の作品群につながる施しが垣間見られ、拾うとするならば、グリフィス的な風情が若干立ち現われていたことが救いであろうか。だが、まだまだ遠巻きに捉える劇空間においては、コメディ要素で適う映画空間とはなりえなかった。メアリー・ピックフォードのアクションにもコメディエンヌと呼べるほどの勢いは見られなかった。本作で端役で出演するマック・セネットが、やがてメーベル・ノーマンドを開発するのを待たなければならない。そんな1910年の一幕である。

(評価:★2)

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